NETGEAR ReadyNAS RN104
X-RAID ディスク交換手順書

対象:4ベイ RN104 / ReadyNAS OS 6 / X-RAID2 / 1TBディスク1本を4TBへ交換するケース

作成日:2026-06-03

ReadyNAS RN104 参考写真

参考写真:ユーザー提示のNETGEAR ReadyNAS RN104

結論:ReadyNAS RN104のX-RAID構成では、交換対象ディスクを1本だけ抜き、4TBの新しいディスクを装着すると、保護されたRAID構成であればReadyNASが自動的に再同期を開始します。再同期が完了するまで、他のディスクは絶対に抜かないでください。

最重要:バックアップなしでの作業リスク

RAIDはバックアップの代替ではありません。ディスク交換・再同期中は残りのディスクを長時間読み込むため、古いディスクに潜在不良があると、2本目の障害でデータ喪失に至る可能性があります。可能であれば、最低限、重要データだけでもUSB HDD・別NAS・PC等へ退避してから実施してください。

目次

  1. 前提と今回の読み替え
  2. 実施前に確認が必要な情報
  3. 交換後の容量見込み
  4. 作業を中止・保留する条件
  5. 事前準備
  6. 交換手順
  7. 再同期中・完了後の確認
  8. トラブル時の判断
  9. 作業記録フォーマット
  10. 参照情報

1. 前提と今回の読み替え

項目内容
機種NETGEAR ReadyNAS RN104。RN104は4ベイのReadyNAS OS 6デスクトップ機です。
RAIDモードX-RAIDを使用。ReadyNAS OS 6ではX-RAID2として扱われます。
現在の構成4TB×2本、1TB×2本と解釈しています。ご記載は「4GB」「1GB」でしたが、RN104のHDD容量としては通常TB単位のため、本手順ではTBとして記載します。
交換対象ID:sdb、スロット名:3x1、物理位置:前面から見て右から2番目。
交換内容不調な1TBディスク1本を4TBディスクへ交換。
バックアップ現時点では未取得。作業前にバックアップ、最低でも重要データの退避を強く推奨。

スロット 3x1 の意味

ReadyNAS OS 6の表示では、ディスク位置は <column>x<row> 形式で、3x1 は「上段の左から3番目」を意味します。RN104は4ベイが横一列のため、前面から見て左から3番目=右から2番目です。

sdb のようなLinuxデバイス名は、起動順や接続状態で変わる可能性があります。作業時は sdb だけで判断せず、スロット名、容量、シリアル番号、Web管理画面の表示、前面LEDを組み合わせて対象ディスクを確定してください。

2. 実施前に確認が必要な情報

以下が未確認のままでも手順自体は実行可能ですが、データ喪失リスクを下げるため、作業前に必ず確認してください。

確認項目確認方法判定
バックアップ可否 USB HDD、PC、別NAS、外付けディスクなどに重要データだけでも退避できるか確認。 可能なら必ず実施。無理な場合は、リスク受容を明確にしてから作業。
現在のボリューム状態 Web管理画面 → System > Volumes でHealthを確認。 Greenなら通常作業可。Yellow/Redならリスクが高いため、作業前にログ・SMART・重要データ退避を優先。
他ディスクのSMARTエラー System > Volumes → 対象ボリューム → Settings → Disksで各ディスクの状態を確認。可能ならログをダウンロード。 交換対象以外にも異常がある場合は、単独作業での復旧成功率が下がるため保留推奨。
交換対象の取り違え防止 3x1、容量1TB、シリアル番号、LED、Web管理画面の表示を突き合わせる。 一致しない場合は作業禁止。全トレイに番号ラベルを貼ってから作業。
交換用ディスク 4TB以上、3.5インチSATA、NAS向け/CMR推奨。NETGEARの互換リストも確認。 新品または完全消去済みを使用。過去にWindows等で使ったディスクは、そのままだと取り込まれない可能性があります。
電源安定性 UPSの有無、電源ケーブル、停電予定、作業時間帯を確認。 再同期中の電源断を避ける。長時間作業になる前提で実施。

3. 交換後の容量見込み

X-RAIDでは、ディスクを追加・大容量ディスクへ交換すると、条件を満たした時点で容量拡張が自動的に行われます。ReadyNAS OS 6のX-RAID2でRAID 5相当の場合、縦方向拡張には「2本以上の大容量ディスク」が必要です。

構成概算の利用可能容量補足
現在:4TB + 4TB + 1TB + 1TB約6TB表示上はTiB換算やスナップショット・管理領域のため少なく見えます。
交換後:4TB + 4TB + 4TB + 1TB約9TB再同期・拡張完了後に反映。反映されない場合は、再同期完了後に計画再起動を検討。
将来:4TB + 4TB + 4TB + 4TB約12TB全ディスク4TB化した場合の目安。

注:この表は保護1本分を確保するX-RAIDの一般的な目安です。実際の表示容量はファイルシステム、スナップショット、TB/TiB換算により異なります。

4. 作業を中止・保留する条件

  • 交換対象以外のディスクにもSMARTエラー、I/Oエラー、再配置セクタ増加などの異常がある。
  • ボリューム状態がRed、または複数ディスク障害が疑われる。
  • 対象スロットが 3x1 と確定できない。
  • 交換用ディスクが中古・フォーマット済みで、事前消去できていない。
  • 停電・再起動・ファーム更新・別メンテナンスの予定がある。
  • 管理画面で Destroy / Factory Default / New Volume / Format などの初期化系操作を求められた。

5. 事前準備

5.1 重要データの退避

バックアップ未取得の場合、最低限、失うと困る共有フォルダだけでもUSB HDD・PC・別NASへコピーします。全量バックアップが難しい場合も、業務・写真・ドキュメントなど優先度を分けて退避してください。

5.2 管理画面へログイン

ブラウザで https://<ReadyNASのホスト名> または https://<ReadyNASのIPアドレス> にアクセスし、管理者でログインします。

5.3 現在状態のエビデンス取得
  1. System > Volumes の画面を開く。
  2. ボリューム名、RAID種別、Health、Data/Free容量を画面キャプチャする。
  3. 対象ディスク 3x1 の容量、メーカー、型番、シリアル番号、SMART状態を記録する。
  4. System > Logs and Alerts で Download Logs を実行し、ログZIPをPCへ保存する。
5.4 物理トレイのラベリング

前面から見て左から 1、2、3、4 とラベルを貼ります。今回の対象 3x1 は左から3番目、右から2番目です。

5.5 交換用ディスクの確認
  • 容量:4TB以上。
  • 形状:3.5インチSATA HDD。
  • 推奨:NAS向け、CMR方式、同等以上の回転数・信頼性。
  • 状態:新品、または完全にパーティション削除済み・初期化済み。

6. 交換手順

作業中の鉄則

  • 抜くディスクは1本だけです。
  • 再同期が終わるまで、他のディスクを抜かないでください。
  • 管理画面で初期化・削除・ボリューム作成を促されても、即実行しないでください。
  • ファームウェア更新、Scrub、Defrag、大量コピーは再同期完了まで避けてください。

6.1 ホットスワップで交換する場合

NETGEARの手順では、ReadyNAS OS 6デスクトップ機はホットスワップ対応のため、交換時に電源を落とす必要はありません。ReadyNASが稼働している状態で交換することで、ディスクの取り外し・追加イベントをシステムが検知し、再同期へ進みます。

  1. 管理画面で、対象が 3x1 であることを再確認する。
  2. RN104前面ドアを開ける。
  3. 左から3番目、右から2番目のトレイだけを操作対象にする。
  4. 必要に応じて、ディスクトレイハンドルのロックを解除する。
  5. ディスクトレイのリリースラッチを押し、ハンドルを出す。
  6. トレイをゆっくり引き出す。
  7. 数秒待って、管理画面またはLCDでディスク取り外しが検知されたことを確認する。
  8. トレイ上で、リリースラッチを押しながらマウンティングブラケットをスライドし、旧HDDを外す。
  9. 新しい4TB HDDをブラケットへ取り付ける。HDDのコネクタがトレイの奥、つまり筐体内部側を向くようにする。
  10. ブラケットとHDDをトレイに戻す。
  11. トレイの向きを確認し、同じベイへ奥まで差し込む。
  12. トレイハンドルを押し込んで確実にラッチさせる。
  13. 管理画面で新ディスクが認識され、再同期が開始されることを確認する。

6.2 電源を落として作業する場合の注意

物理作業に不安がある場合、管理画面または電源ボタン操作で正常シャットダウンしてからディスクを交換する方法もあります。ただし、劣化した古いディスクを含む構成では、再起動自体が負荷になる場合があります。公式手順上はホットスワップ可能なため、通常はホットスワップを優先します。

シャットダウンする場合も、全トレイの順番を崩さず、対象1本だけを交換してください。起動後に再同期が始まるまで、管理画面で初期化系操作を行わないでください。

7. 再同期中・完了後の確認

7.1 再同期中

  • System > Volumesで再同期状態・進捗を確認する。
  • RN104のディスクLEDは、障害・取り外し・再同期中に点滅する場合があります。
  • 再同期中はアクセス速度が低下します。業務利用や大量コピーは避けてください。
  • 4TB級ディスクでは、数時間から半日以上かかることがあります。容量、ディスク状態、保存データ量、同時アクセス量で変わります。
  • NASの電源を切らないでください。停電が心配な場合はUPSを使用してください。

7.2 完了後

  1. System > VolumesでHealthがGreenに戻っていることを確認する。
  2. 対象ベイの新ディスクが4TBとして認識されていることを確認する。
  3. System > Logs and Alertsで、再同期開始・完了、ディスク追加、エラー有無を確認する。
  4. 再度Download Logsを実施し、作業後ログを保存する。
  5. 容量が増えていない場合は、再同期完了を確認したうえで、業務影響の少ない時間に正常再起動する。NETGEARの一部KBでは、大容量ディスクへのX-RAID拡張は最後の交換後の再起動時に拡張されると説明されています。
  6. 共有フォルダへアクセスし、主要データが参照できることを確認する。

8. トラブル時の判断

状態対応
新ディスクが認識されないトレイの挿入不足、SATAコネクタ向き、ディスク不良、フォーマット済みディスクの扱いを確認。すぐに別のトレイを抜かない。
再同期が始まらないログを確認。中古・フォーマット済みディスクの場合はReadyNASが自動使用しない可能性があるため、作業を止めて状態を確認。
再同期中に別ディスクのエラーが増える操作を増やさず、重要データ退避を最優先。電源断や再起動を繰り返さない。
容量が増えない再同期完了を確認後、計画再起動を実施。まだ増えない場合はX-RAIDの拡張条件、スナップショット、ボリューム状態を確認。
VolumeがRed/Badになる初期化・Destroyを行わず、ログ保存後、復旧専門業者またはNETGEARサポート相当へ相談。

9. 作業記録フォーマット

項目記録欄
作業日時
作業者
ReadyNASホスト名/IP
交換前ボリューム状態Health:   Data:   Free:
交換対象スロット:3x1 / 物理位置:左から3番目・右から2番目 / ID:sdb
旧ディスク容量:1TB / メーカー:   型番:   シリアル:
新ディスク容量:4TB / メーカー:   型番:   シリアル:
交換開始時刻
再同期開始時刻
再同期完了時刻
交換後ボリューム状態Health:   Data:   Free:
ログ保存先作業前:   作業後:
備考
作業者サイン:
確認者サイン:
完了確認日:

10. 参照情報

本手順は、以下のNETGEAR公式情報を中心に作成しています。

  1. NETGEAR KB: How do I replace a disk in my ReadyNAS OS 6 desktop storage system?
  2. NETGEAR KB: How do I vertically expand an X-RAID 2 volume on my ReadyNAS OS 6 storage system?
  3. NETGEAR KB: What is X-RAID and how does it work with my ReadyNAS OS 6 storage system?
  4. NETGEAR KB: How do I expand an existing X-RAID volume with larger disks?
  5. NETGEAR ReadyNAS OS 6 Desktop Storage Systems Hardware Manual
  6. NETGEAR ReadyNAS OS 6.0 Software Manual

手順作成時の判断メモ

  • RN104の前面LEDは左から右へ1〜4の順序で扱われます。
  • ReadyNAS OS 6のディスク位置表示では、3x1 は左から3番目のディスクです。
  • 公式手順ではReadyNAS OS 6デスクトップ機のディスク交換はホットスワップ可能です。
  • X-RAID2で大容量ディスクへ置換する場合、1本交換ごとに再同期完了を待つ必要があります。
  • RAID構成はディスク1本の故障に備える仕組みであり、バックアップの代替ではありません。