最初に覚える基本形:
45L程度のごみ袋を二重にし、半分程度まで水を入れて、
空気を減らして口をしっかり閉じます。20Lの水なら重さは約20kgです。
水のうは、浅い浸水や排水口からの逆流を抑えるための応急措置です。
強い水流・深い浸水が始まっている場合は、設置作業より安全確保を優先してください。
1. 基本の水のう ― 4ステップ図解
3
空気を抜いて縛る
床に密着しやすくする
4
隙間に密着させる
置いてから形を整える
コツ:大型水のうは給水後に重くなります。できれば設置場所の近くで水を入れます。
2. 5パターン比較 ― どれを選ぶか
| 方式 | 手軽さ | 止水の安定性 | 主な用途 | 特徴 |
| ① 小型水のう |
★★★★★ |
★★☆☆☆ |
排水口・洗濯機排水 |
5~10L程度。小さい場所に密着しやすい。 |
| ② 45L標準水のう |
★★★★☆ |
★★★☆☆ |
玄関・トイレ・浴室 |
家庭用の基本。袋を二重にし、半分程度まで給水。 |
| ③ 段ボール+水のう |
★★★☆☆ |
★★★★☆ |
玄関・勝手口 |
箱で形が整い、横一列に並べやすい。 |
| ④ 板+シート+水のう |
★★☆☆☆ |
★★★★☆ |
掃き出し窓・広い入口 |
「点」ではなく「面」で止めやすい。 |
| ⑤ 市販の給水式止水材 |
★★★☆☆ |
★★★★★ |
繰返し対策・広い入口 |
専用品。購入費・保管場所が必要。 |
※星はこのガイド内での相対評価です。製品性能や実際の浸水条件を示す数値評価ではありません。
3. 用途別の設置イメージ
A. 玄関ドア
外からの水水のう
複数個を横に寝かせ、ドア下・左右端の隙間をつぶします。
B. トイレの逆流対策
小~中型水のう
便器内の排水口を覆うように置き、浮き上がりにくい重さにします。
C. 浴室・洗濯機などの排水口
小型水のう
大き過ぎる袋より、5~10L程度の小型水のうの方が密着させやすい場所です。
D. 広い開口部 ― 板+シート+水のう
水防水シート板水のう
袋を並べるだけでなく、シートで「面」を作り、板と水のうで保持します。
4. 場所から選ぶ早見図
排水口・トイレ
狭い場所
↓
小型~標準水のう
→
玄関・勝手口
幅 1m 前後
↓
標準水のう+段ボール
→
掃き出し窓・ガレージ
広い開口部
↓
板+シート+水のう
| 場所 | 小型 | 45L標準 | 段ボール併用 | 板+シート |
| トイレ | ● | ● | - | - |
| 浴室・洗濯機排水口 | ● | △ | - | - |
| 玄関 | △ | ● | ● | △ |
| 勝手口 | △ | ● | ● | △ |
| 掃き出し窓 | - | △ | △ | ● |
| ガレージ入口 | - | △ | ● | ● |
●=向いている △=補助的に利用 -=通常は選ばない
5. 方式ごとの作り方
LEVEL 1|最も簡単
小型水のう
排水口洗濯機排水
材料:丈夫なポリ袋2枚、水5~10L程度、ひも等
- 袋を二重にする。
- 水を入れる。
- 空気を抜いて縛る。
- 排水口に密着させる。
LEVEL 2|基本
45L標準水のう
玄関トイレ浴室
材料:45L程度のごみ袋2枚、水
- 袋を二重にする。
- 半分程度まで給水。
- 内外の袋口をしっかり縛る。
- 横に寝かせて設置。
LEVEL 3|安定性アップ
段ボール箱+水のう
玄関勝手口
材料:標準水のう、段ボール箱、防水シート
- 箱の中へ水のうを入れる。
- 箱を横一列に並べる。
- 水側をシートで覆う。
- 隙間を小型水のうで埋める。
LEVEL 4|広い入口
板+防水シート+水のう
掃き出し窓広い開口部
材料:水のう、合板等、防水シート
- 板を開口部に沿わせる。
- 水側をシートで覆う。
- 根元を水のうで押さえる。
- 端部の隙間を追加水のうで処理。
6. 失敗しやすいポイント
× 水を満タンにする
硬く丸くなり、床面や排水口に密着しにくくなります。
→ 基本は半分程度。
× 袋を1枚だけ使う
角や異物で穴が開くと一気に漏れます。
→ 二重を基本にする。
× 給水後に遠くまで運ぶ
20Lなら約20kg。腰や指を傷めやすくなります。
→ 設置場所の近くで給水。
× 水位上昇後も作業を続ける
避難路を失う可能性があります。
→ 浸水が始まる前に準備する。
7. 備蓄しておく物
| 物品 | 目安 | 用途 |
| 45L程度のごみ袋 | 10~20枚以上 | 二重にして複数の水のうを作る |
| 小型ポリ袋 | 数枚 | 排水口・隙間用 |
| 段ボール箱 | 数箱 | 水のうの整列・安定 |
| ブルーシート/防水シート | 1~2枚 | 広い面の止水補助 |
| ひも・結束バンド | 適量 | 袋口の補助固定 |
| 厚手の手袋 | 人数分 | 設置・片付け時の保護 |
8. 注意
水のう設置より避難が優先です。
すでに屋外の水位が上昇している、強い流れがある、地下・半地下へ流入している場合は、
止水作業を続けず、安全な場所への移動を優先してください。
9. 参考情報
- 名古屋市:45L程度のごみ袋を二重にし、半分程度の水を入れた簡易水のうと段ボール箱を組み合わせる方法を紹介。
名古屋市資料
- 横浜市:二重にした45Lごみ袋へ半分ほど水を入れる簡易水のうと、排水口をふさぐ方法を紹介。
横浜市資料
- 東京都下水道局:豪雨時の下水逆流や半地下・地下室等の浸水対策を案内。
東京都下水道局
- 政府広報オンライン:水害時の水防と平常時の備えを解説。
政府広報オンライン