家庭で作る「水のう」図解ガイド

浸水・下水逆流への応急対策 ― 簡単な方法から5段階で整理

Version 1.1 / 2026-08-19
最初に覚える基本形: 45L程度のごみ袋を二重にし、半分程度まで水を入れて、 空気を減らして口をしっかり閉じます。20Lの水なら重さは約20kgです。
水のうは、浅い浸水や排水口からの逆流を抑えるための応急措置です。 強い水流・深い浸水が始まっている場合は、設置作業より安全確保を優先してください。

1. 基本の水のう ― 4ステップ図解

1
袋 × 2
ごみ袋を二重に
破れ・穴あき対策
2
半分程度
水は半分程度
満水にしない
3
空気を減らす
空気を抜いて縛る
床に密着しやすくする
4
横に寝かせる
隙間に密着させる
置いてから形を整える
コツ:大型水のうは給水後に重くなります。できれば設置場所の近くで水を入れます。

2. 5パターン比較 ― どれを選ぶか

方式手軽さ止水の安定性主な用途特徴
① 小型水のう ★★★★★ ★★☆☆☆ 排水口・洗濯機排水 5~10L程度。小さい場所に密着しやすい。
② 45L標準水のう ★★★★☆ ★★★☆☆ 玄関・トイレ・浴室 家庭用の基本。袋を二重にし、半分程度まで給水。
③ 段ボール+水のう ★★★☆☆ ★★★★☆ 玄関・勝手口 箱で形が整い、横一列に並べやすい。
④ 板+シート+水のう ★★☆☆☆ ★★★★☆ 掃き出し窓・広い入口 「点」ではなく「面」で止めやすい。
⑤ 市販の給水式止水材 ★★★☆☆ ★★★★★ 繰返し対策・広い入口 専用品。購入費・保管場所が必要。

※星はこのガイド内での相対評価です。製品性能や実際の浸水条件を示す数値評価ではありません。

3. 用途別の設置イメージ

A. 玄関ドア

玄関ドア 水のうを横に並べる 水の流入方向 →
外からの水水のう

複数個を横に寝かせ、ドア下・左右端の隙間をつぶします。

B. トイレの逆流対策

逆流を押さえる
小~中型水のう

便器内の排水口を覆うように置き、浮き上がりにくい重さにします。

C. 浴室・洗濯機などの排水口

小型水のうを排水口に密着
小型水のう

大き過ぎる袋より、5~10L程度の小型水のうの方が密着させやすい場所です。

D. 広い開口部 ― 板+シート+水のう

板 防水シート 水のうで板を押さえる
水防水シート板水のう

袋を並べるだけでなく、シートで「面」を作り、板と水のうで保持します。

4. 場所から選ぶ早見図

排水口・トイレ
狭い場所
↓
小型~標準水のう
→
玄関・勝手口
幅 1m 前後
↓
標準水のう+段ボール
→
掃き出し窓・ガレージ
広い開口部
↓
板+シート+水のう
場所小型45L標準段ボール併用板+シート
トイレ●●--
浴室・洗濯機排水口●△--
玄関△●●△
勝手口△●●△
掃き出し窓-△△●
ガレージ入口-△●●

●=向いている △=補助的に利用 -=通常は選ばない

5. 方式ごとの作り方

LEVEL 1|最も簡単

小型水のう

排水口洗濯機排水
材料:丈夫なポリ袋2枚、水5~10L程度、ひも等
  1. 袋を二重にする。
  2. 水を入れる。
  3. 空気を抜いて縛る。
  4. 排水口に密着させる。
LEVEL 2|基本

45L標準水のう

玄関トイレ浴室
材料:45L程度のごみ袋2枚、水
  1. 袋を二重にする。
  2. 半分程度まで給水。
  3. 内外の袋口をしっかり縛る。
  4. 横に寝かせて設置。
LEVEL 3|安定性アップ

段ボール箱+水のう

玄関勝手口
材料:標準水のう、段ボール箱、防水シート
  1. 箱の中へ水のうを入れる。
  2. 箱を横一列に並べる。
  3. 水側をシートで覆う。
  4. 隙間を小型水のうで埋める。
LEVEL 4|広い入口

板+防水シート+水のう

掃き出し窓広い開口部
材料:水のう、合板等、防水シート
  1. 板を開口部に沿わせる。
  2. 水側をシートで覆う。
  3. 根元を水のうで押さえる。
  4. 端部の隙間を追加水のうで処理。

6. 失敗しやすいポイント

× 水を満タンにする

硬く丸くなり、床面や排水口に密着しにくくなります。

→ 基本は半分程度。

× 袋を1枚だけ使う

角や異物で穴が開くと一気に漏れます。

→ 二重を基本にする。

× 給水後に遠くまで運ぶ

20Lなら約20kg。腰や指を傷めやすくなります。

→ 設置場所の近くで給水。

× 水位上昇後も作業を続ける

避難路を失う可能性があります。

→ 浸水が始まる前に準備する。

7. 備蓄しておく物

物品目安用途
45L程度のごみ袋10~20枚以上二重にして複数の水のうを作る
小型ポリ袋数枚排水口・隙間用
段ボール箱数箱水のうの整列・安定
ブルーシート/防水シート1~2枚広い面の止水補助
ひも・結束バンド適量袋口の補助固定
厚手の手袋人数分設置・片付け時の保護

8. 注意

水のう設置より避難が優先です。 すでに屋外の水位が上昇している、強い流れがある、地下・半地下へ流入している場合は、 止水作業を続けず、安全な場所への移動を優先してください。

9. 参考情報